白糸の滝の歌声聴き入れて指折りながら春鎖けりけり

 
 後楽園の「白糸の滝」の前を通った時、指を折りながら、何かを書いている老婦人がいた。俳句か短歌を作っていたに違いない。傍を通る人のことを全然気にせず、一心不乱に大自然に向かい合う姿は春の美しさを一層感じさせ、思わずシャッターを切った。

 この場所は、前のF班の同学と修了式の出し物の詩を練習したところだった。

 今は、もう一つの春の風物詩に出会った。

 よく「中国は詩の国だ」と言われているが、正確に言えば、詩の国だった、あるいは、詩を鑑賞する国だと思う。
 
 日本の公園や観光地などで俳句や短歌を作る人がよく見かける。本屋に行けば、俳句・短歌関係の本や雑誌のコーナーがあり、NHKの俳句・短歌の番組が成り立つこと自体は、その伝統的な詩を愛する人の多さを物語っている。

 日本こそ、詩の国の称号に相応しい。